早苗の舞   さなえのまい   SANAE NO MAI

江戸系   早生   白地に紅砂子、鉾は濃紅紫のはでやかな二色花。花径はおよそ15cm程度の中輪。
草丈は60cm程度。性質、繁殖は普通。

花弁に波が多く、華やかな印象を受ける明るい感じの花である。この花の色彩と花形は、伊勢系の古花の
「衆指の誉」や、「京舞子」などと同じだが、早苗の舞の片親は「京舞」で、この品種は肥後系と伊勢系の交配
なので、この早苗の舞も、やはり伊勢系の趣を感じる。
1984年、加茂花菖蒲園作


伊勢花菖蒲は、光田氏が積極的に使用したが、そのほかには、今まであまり育種親としては使用されてお
らず、また伊勢花菖蒲としての新花も、最近では殆ど作出されていない。しかし、江戸系や肥後系にない
独特の色彩や特徴を持っており、今後発展させる可能性は、まだ十分に持っている系統と言える。