ノハナショウブ    ピンク個体   

青森県の小川原湖半で発見した藤がかるピンクのノハナショウブ。ややくすんではいたが、「陸奥の薄紅」よりは鮮やかな花色だった。花径はおよそ8cm程度だった。

この花は、土手のススキの株の根元に、大株になって生えていた。もう何年も経ているような大株で、古い根茎が多く付いていた。

園芸植物の花菖蒲は株分けしないでおくと、数年で株が衰弱して絶えてしまう。このため、原種のノハナショウブも、種子繁殖し、株そのものの寿命は短いのではという考えがあった。しかし、この株や、他所でも何年も経たような、長く伸びた古い根茎を見るうちに、ノハナショウブはほかの植物と共に自生していれば、自然状態ではかなり長い年月を株として保つことができるのではないだろうかと思った。