野川の鷺   のがわのさぎ   NOGAWA NO SAGI

長井古種   早生   白地にごく淡い藤色のかすりが入る三英花。花径7cm程度の小輪。
草丈は100cm以上に伸びる高性種。性質は丈夫で繁殖も良い。


昭和37年、日本花菖蒲協会の旅行会で、山形県長井市のあやめ公園を訪れたとき平尾秀一氏ら
が地元長井の花菖蒲愛好家、柿間俊平氏の案内でこの花を見られ、他所にはない花で、江戸花菖
蒲の古花よりさらに古いタイプの花であることを発見し、「長井種 野川の鷺」と命名した。本種は長
井古種が発見されたときの第1号の品種である。その時の旅行会で30品種ほどを命名し、その後長
井古種が広く知られるようになった。

しかし、その後、この命名「野川の鷺」はどうも絶えてしまったらしく、柿間氏によれば、命名種ではない
とのことであった。「長井小紫」についても同じだと話されていた。実際、長井あやめ公園に行くと、この
野川の鷺の青ぼかしの割合が多い花も見られた。この画像の花もその一つで、野川の鷺系であり、命名
された野川の鷺ではない。