イマキュリート・グリッター   IMMACULATE GLITTER

米国種   紅がかった紫に白細覆輪、やや丸い花弁で椀状に咲く六英花。花径はおよそ
16cm前後の中輪。草丈は100cmを越す。性質はやや弱く、繁殖も少なめ。


米国のウイリアム A ペーン氏が作出した品種。
氏は米国で太平洋戦争の前から花菖蒲の改良に取り組み、大戦で敵国日本の植物というこ
とで、花菖蒲が処分されたなかでも、ひとり黙々とこの花の改良をおこなった。終戦後、反日感
情が和らぎ再び花菖蒲が見直されると、彼の所を基点に再び花菖蒲が広まっていった。

また氏は、170品種にのぼる品種を作出されたが、その全てに詳細な交配記録を残している。
日本の平尾先生などが、交配記録を殆ど残されていないのとは対照的である。
米国の花菖蒲品種改良の先駆者的な存在であり、現在も米国花菖蒲会で新品種に与えられ
る最高の賞は、ペーン賞とのことである。氏の花でよく知られているものは、ほかに「ザ グレート
モガール」などがある。


当園ではてこずるイマキュリートだが、例えば北海道の八紘学園へ行ったとき、先方の石山貞吉氏が
この品種は丈夫でよく殖えると話されて、ちょっと意外で驚いた記憶がある。気候風土が変われば栽培
の難易も変わるのだろうかと思った。まあ、だいたい花菖蒲は北方系の植物なので、真夏に35度cを越
すような環境では、やはり暑がり作りにくくなるのも無理はないかと思ったが・・。