ハナショウブ   山形県飯豊町萩生産  

長井古種のルーツとして知られる山形県下長井の飯豊町萩生産のノハナショウブ。
「出羽の姫君」を発見した場所のもの。

ここの自生個体の特徴は、草姿が大柄なこと、葉幅が園芸種に近いほど広いこと、花色が、
紫から紅紫、くすんだ紅紫など色彩の幅が見られること。加えて、画像の花のように黄色い
目の部分から下に伸びる白筋の入る個体があること。この白筋は、ここの自生個体全てに
見られるわけではないが、他の産地ではあまり見られないタイプである。


この花を採集した場所は、飯豊町の山間部の沢田だった。長井市で花菖蒲を研究しておられる柿間氏に
この場所を案内していただいた。山里に行けば、どこにでもあるような沢田の畦道や、沢田の一番上の
今思うと100uくらいの、休耕田らしい木々に囲まれた草地に、200輪程度くらいのノハナショウブが咲い
ていた。6月下旬で、山は青葉が生い茂り、カッコウの鳴き声が遠くで聞こえていた。