加茂花菖蒲園花菖蒲データベース http://www.kamoltd.co.jp/katalog/index.htm



紅 桜   べにざくら   BENIZAKURA

肥後系   中生   蛍光色がかる濃いカトレアピンク六英花。花径は約18cm程度の大輪。
光田義男氏作の「千姫桜」の実生で、花色は親と同じである。フリルの付いた花弁を持つ
実に豪華な花で、色はピンクの花の中では一番濃いと言ってよく、蛍光色がかっており、花
菖蒲と言うよりカトレアの花を見ているようである。草丈は低く、出来ても50cm程度にしかな
らないので鉢栽培に向く。内側の花弁が、内側に湾曲しやすい点が惜しい。

光田氏作の濃桃赤色系の花はどれも性質が弱いが、本種はその系統の中でも繁殖力はあり、
丈夫な方ではある。しかし、一般的な花菖蒲に比べればかなり弱い品種で、管理を怠ると機嫌
を損ね、衰弱して枯れてしまうことも多い。熟練者からも、栽培が難しいという声を聞く。
まあ、原種のノハナショウブに比べれば、化け物のような花なので、それも仕方ないが・・・。
1994年、加茂花菖蒲園作

なお、この画像の花は、冬場に温室内にて加温して促成させ、5月の連休頃に屋外にて咲かせたもの
である。最低温度15度c、最高22度c程度の低温下で咲かせると、このようなとても濃い色彩に咲く、
しかし、6月に咲かせるともう少し薄くなり、25℃以上の高温下では、さらに薄く寝ぼけたような花になる。

これはピンク系に限ったことではなく、花菖蒲はというより、温帯性の多くの花がそうである。高山植物が
鮮明に咲くように、気温が低く、昼夜の温度差があった方が花色は鮮明に出る。花菖蒲は東北や北海道
で作った方が、花色は見違えるほどきれいである。以前、青森県の鯉艸郷の花菖蒲園に行ったとき、そこ
に咲いていた同じ光田氏の「西行桜」の色のピンクの濃さ鮮やかさに驚いた記憶がある。こんな濃い色に咲
いた西行桜はそれまで見たことがなかった。これには負けるなァと思った。


花菖蒲はもともと北方系の植物である。栽培も、花色も、どんなに逆立ちしても北日本には勝てない。関東
以西の一般暖地にお住まいの方には申し訳ないが、こればかりは仕方がない。