加茂花菖蒲園花菖蒲データベース https://kamoltd.co.jp/katalog/index.htm



相 生   あいおい   AIOI

江戸系   早中   白地に薄紫の砂子がわずかに入り、鉾は紫に白覆輪の入る二色花。
花径は約16cm程度の中輪。草丈は普通で100cm前後。

おだやかな三英花で、画像のように1輪見ても美しいが、群生美のとても良い品種
である。平尾秀一氏が作出した「千代の誉」に似ているが、それよりも上品な花である。

戦後、昭和30年頃に作出された品種で、作者は当時、東京の多摩にかつてあった
東光ナーセリーの園主、伊藤東一氏である。氏は、花菖蒲以外にも、グラジオラスや
キク、ダリヤ、スイセンなど、さまざまな園芸植物を品種改良した。花菖蒲では江戸花
菖蒲を主に改良され、それらの品種は京王百花苑に植栽された。


日本花菖蒲協会の理事さん連中が、毎年6月に大船植物園で行われる協会の展示会で
話していたが、花菖蒲を長年作っていると、どうしても昔の花になってしまうと言われる。
現代とは違って時間がゆっくり流れた時代の花だから、花もあくせくしていなくて。いつまで
作っていても飽きないのだと言う。現代の花は一見綺麗で派手だが、余裕がないと言う。
花は時代を映す鏡である。この相生の花を見ていると、そんなことを思い出す。